サメの可能性を「フカフカクリスピー」に託して――産学官連携と地方発の挑戦
食品卸のかね久(仙台市)が、宮城県気仙沼産のモウカザメ(ネズミザメ)を使ったスティックタイプの揚げ物「フカフカクリスピー」を発売すると発表した。価格は約700円を求めやすい値段である、宮城県内の小売店や飲食店など22店舗で展開される予定だそうです。
今回注目すべきは、単なる新商品の開発にとどまらず、水産卸の仙都魚類や宮城大学との産学官連携によって実現した点です。サメ肉はこれまで「くさみ」や「硬さ」などが敬遠されがちでしたが、適切な加工とマーケティングにより、気軽に楽しめる軽食へと生まれ変わりました。
昔、我が家でも作ってましたが主に日本海向けの出荷でした。
過去にもあった“サメ商品”の挑戦
実は、サメを活用した商品開発は過去にもいくつか試みられてきました。たとえば、岩手県の釜石市では「サメジャーキー」を開発。観光客に好評で、地元の道の駅で安定した人気を保っています。また、静岡県焼津市では「サメナゲット」というユニークな商品がイベント販売され、子どもから高齢者まで広く受け入れられました。
ただし、どちらも一過性の企画に終わってしまったという声もあり、定着には至っていないケースも見られます。そのため、継続的な販売戦略とブランディングの工夫が不可欠といえるでしょう。
産学官連携の成功・失敗例
今回のような産学官の連携による商品開発は、全国的にも増えつつあります。成功事例として代表的なのは、香川県の「オリーブハマチ」です。香川県、地元大学、民間企業が連携し、ハマチの餌にオリーブの葉を使用してブランド化。今では全国の百貨店にも並ぶ名物に成長しました。
私も香川に出向いた折に食しましたが、ほんのりと香りがあり、美味でした。
一方で、失敗に終わった例もあります。たとえば、九州某県の農業高等学校と企業が共同開発した「〇〇バーガー」は、話題にはなったものの、生産体制や物流面が整わず、商業化に失敗。地元メディアで取り上げられたものの、継続販売には至りませんでした。やはり、地に足をつけた計画と流通戦略の確保が、成功のカギとなります。
地方発のヒット商品たち
地方企業によるヒット商品は近年増加しています。たとえば、青森県の「スタミナ源たれ」は、もともと家庭用として生まれた調味料ですが、口コミで人気が拡大し、今では全国のスーパーでも手に入るロングセラー商品に。
また、徳島県の「なると金時スイートポテト」も、地方色を前面に出しながら、パッケージや商品デザインに工夫を凝らし、お土産市場を超えて首都圏の高級スーパーでも売上を伸ばしています。
「フカフカクリスピー」への期待
「フカフカクリスピー」は、サメという一見するとニッチな素材を、食べやすいスティック型に加工し、「手軽さ」「珍しさ」「地産地消」の要素を兼ね備えた商品です。若年層をターゲットとしたSNS映えするネーミングも好印象です。
今回の取り組みがきっかけとなり、モウカザメの消費拡大や気仙沼の水産業活性化につながることが期待されます。地方資源を活用し、新たな価値を生み出す「フカフカクリスピー」のような挑戦は、まさに地域経済の未来を切り開く試金石といえるでしょう。
未来へ向けて
気仙沼の海、そして産学官の知恵と努力によって誕生したこの商品が、地域の活性化に貢献し、次世代の「ご当地グルメ」として育っていくことを心より願っています。
フカフカクリスピー、頑張れ!
あなたの一口が、地方の未来を変えるかもしれません。

