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四季報秋号で予想配当利回り2位!新家工業(7305)について調べてみた

2026年9月16日に発売された「会社四季報 2026年4集・秋号」。

今回の四季報を見ていて気になったのが、「配当利回りランキング」です。

その中で、予想配当利回り5.85%として第2位に入ったのが、証券コード7305の新家工業株式会社でした。

5%を超える配当利回りとなれば、配当を重視する投資家にとっては気になる水準です。

そこで今回は、「新家工業とはどんな会社なのか」「なぜこれほど配当利回りが高いのか」「現在の業績はどうなのか」という点を中心に調べてみました。

新家工業(7305)とは?

新家工業は、東証スタンダード市場に上場する鉄鋼関連企業です。

「ARAYA」のブランド名を見れば、自転車を思い浮かべる方もいるかもしれません。

同社のルーツは自転車用リムですが、現在の事業では鋼管・型鋼などの製造販売が大きな柱となっています。

建築・自動車・家具・産業機械など、幅広い用途で使われる鋼管や型鋼を手掛けており、一般消費者の目に触れる機会はそれほど多くなくても、産業を支える「素材・部材メーカー」といえる会社です。

四季報秋号で予想配当利回り第2位

今回注目したのは、「会社四季報 2026年4集・秋号」に掲載された配当利回りランキングです。

東洋経済オンラインによると、ランキングは今期予想ROE5%以上、今期予想純利益10億円以上など一定の条件を設けたうえで、年間配当利回りの高い企業を抽出しています。

そのランキングで新家工業は、

予想配当利回り 5.85%
ランキング 第2位

となりました。

5%台後半という数字だけを見ると、かなり高い配当利回りです。

ところが会社予想の配当は150円

ここで少し注意したいところがあります。

新家工業が公表している2027年3月期の年間配当予想は、

  • 中間配当 50円
  • 期末配当 100円
  • 年間配当 150円

です。

2026年9月17日時点の株価2,799円で単純計算すると、会社予想150円に対する予想配当利回りは約5.36%です。

これでも十分高い水準ですが、四季報に掲載された5.85%とは差があります。

なぜ四季報では5.85%なのか?

ここが今回、新家工業を調べていて特に興味深かったところです。

東洋経済オンラインの記事によれば、会社側は年間150円の配当を予定している一方、四季報では160円を予想配当の下限として利回りを計算しています。

つまり、四季報側は会社予想よりも高い配当を見込んでいることになります。

その背景にあると考えられるのが、新家工業の株主還元政策です。

「総還元性向100%」という積極的な株主還元

新家工業は「中期経営計画2026」において、2024年度から2026年度までの株主還元方針として、総還元性向100%(配当性向50%以上)を掲げています。

総還元性向とは、配当だけでなく自社株買いなども含めて、企業が稼いだ利益をどの程度株主に還元するかを見る指標です。

100%という数字は、利益に対してかなり積極的に株主還元を行う方針であることを示しています。

実際、2026年3月期の年間配当は、株式分割前ベースで1株320円でした。

2026年4月1日には1株を2株にする株式分割が実施されているため、現在の株式数に換算すると160円相当となります。

そして2027年3月期の会社予想は年間150円。

したがって、会社予想だけを見れば実質的には10円の減配予定ということになります。

それでも四季報では160円以上を予想しているわけですから、今後の業績と株主還元策が一つの注目点になりそうです。

業績を見ると第1四半期は増収増益

では肝心の業績はどうでしょうか。

2026年8月7日に発表された2027年3月期第1四半期決算を見ると、

項目第1四半期実績前年同期比
売上高108億6,800万円+5.6%
営業利益7億4,600万円+22.9%
経常利益8億6,200万円+16.9%
親会社株主に帰属する四半期純利益5億9,000万円+52.3%

となっており、増収・営業増益・経常増益・最終増益となっています。

特に営業利益が前年同期比22.9%増、最終利益が52.3%増となっている点は目を引きます。

通期では営業利益27.3%増を予想

会社が公表している2027年3月期の通期予想は、

項目2027年3月期会社予想前期比
売上高420億円+3.8%
営業利益24億円+27.3%
経常利益25億円+8.4%
親会社株主に帰属する当期純利益17億円+11.8%

となっています。

特に注目したいのは営業利益で、前期18億8,500万円から24億円へ、27.3%の増益を見込んでいます。

第1四半期の営業利益7億4,600万円は、通期計画24億円に対して約31%の進捗となります。

データセンターやEC関連需要にも注目

四季報では、新家工業について住宅関連需要には弱さがある一方、データセンターやEC倉庫向けの需要が堅調で、価格転嫁も進んでいるとしています。

データセンターは生成AIやクラウドサービスの拡大によって国内でも建設需要が注目されている分野です。

またEC市場の拡大に伴う大型物流施設や自動倉庫なども、鋼材・鋼管メーカーにとって関連需要が期待される分野です。

単に「鉄鋼会社だから景気敏感株」と見るだけではなく、どの分野の設備投資が売上につながっているのかを見る必要がありそうです。

高配当だからこそ確認したいポイント

一方、高配当株を見る場合には「配当利回りが高い」という数字だけで判断するのは注意が必要です。

新家工業の場合、特に確認しておきたいのは次の点でしょう。

  • 2027年3月期の会社配当予想は年間150円であること
  • 四季報予想は会社予想より高い160円以上を想定していること
  • 中期経営計画2026の株主還元方針が2026年度までであること
  • 2027年度以降にどのような株主還元方針を打ち出すのか
  • 鋼材価格や原材料価格、建築需要などの影響を受けること

特に重要なのは、現在の積極的な株主還元策が今後も継続されるかどうかでしょう。

PBRも気になる水準

もう一つ、新家工業を見るうえで興味深いのがPBRです。

2026年9月10日時点のデータでは、PBRは約0.76倍でした。

PBR1倍を下回る状態にあるため、新家工業自身も資本コストや株価を意識した経営への対応を進めています。

高い株主還元策には、こうした資本効率や市場評価を改善したいという経営上の背景もあると考えられます。

まとめ――「高配当」だけでなく、その理由を追ってみたい銘柄

今回、四季報秋号の予想配当利回りランキング第2位というところから、新家工業(7305)について調べてみました。

調べてみると、単に「配当利回り5.85%の高配当株」というだけではなく、なかなか興味深い会社でした。

2027年3月期第1四半期は売上高5.6%増、営業利益22.9%増、純利益52.3%増と好調なスタート。

さらに中期経営計画では総還元性向100%という積極的な株主還元方針を掲げています。

一方で、会社自身が予想している年間配当は150円であり、四季報が想定する160円以上とは違いがあります。

「四季報予想どおり配当が上振れるのか」

「中期経営計画2026終了後も高水準の株主還元が続くのか」

「好調な第1四半期から通期業績がどこまで伸びるのか」

このあたりが、今後新家工業を見ていくうえでのポイントになりそうです。

四季報のランキングをきっかけに調べてみましたが、「配当利回り」という一つの数字から、その会社の業績や資本政策まで掘り下げてみると、また違った企業の姿が見えてきます。


※本記事は公開されている決算資料等をもとに企業情報を整理したものであり、特定の株式の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には株価下落や減配等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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