阿波銀行業績予想を上方修正

阿波銀行 出来事

阿波銀行(8388)が業績予想を上方修正!過去最高益をさらに更新へ、その背景を考察

阿波銀行(8388)は2026年9月25日、2027年3月期の通期業績予想および配当予想の上方修正を発表しました。

今回の修正では、連結経常利益を従来予想の260億円から296億円へ引き上げています。

修正率は13.8%増です。

さらに親会社株主に帰属する当期純利益も、176億円から200億円へ上方修正される見通しとなりました。

前期の連結経常利益218億2,500万円と比較すると、今期予想の296億円は35.6%増となり、2期連続となる過去最高益予想をさらに上乗せする形です。

今回の業績予想修正

主な修正内容を整理すると次のようになります。

項目 従来予想 修正予想 修正率
経常収益 1,176億円 1,348億円 +14.6%
経常利益 260億円 296億円 +13.8%
当期純利益 176億円 200億円 +13.6%

特に注目したいのが、当期純利益が200億円の大台に乗る予想となったことです。

前期の155億2,700万円からは約28.8%の増益となります。

なぜ上方修正したのか?

阿波銀行が今回示した上方修正の理由には、大きく分けて3つのポイントがあります。

1.資金利益が当初予想を上回る

まず注目したいのが、

「資金利益が当初の想定を上回る見込み」

としている点です。

銀行にとって資金利益は、貸出金利息や有価証券利息などから調達コストを差し引いた、いわば本業の収益力を見るうえで重要な項目です。

今回の上方修正が単純な株式売却益だけによるものではなく、資金利益についても会社側の想定を上回っていることは重要なポイントでしょう。

金利のある環境が定着するなか、預貸金の利ざや改善などが銀行収益に反映されている可能性があります。

2.政策保有株式などの売却益

一方、今回の上方修正には一時的な利益も含まれています。

阿波銀行は、

「政策保有株式を含む株式の売却益を計上する」

としています。

政策保有株式の縮減を進めるなかで株式売却益が発生し、それが2027年3月期の利益を押し上げることになります。

したがって、今回の経常利益296億円すべてをそのまま将来も継続する収益力と見るのではなく、

本業である資金利益の増加と、株式売却による一時的な利益を分けて考える必要があります。

ここは今回の上方修正を見るうえで重要なポイントではないでしょうか。

3.円債ポートフォリオの健全化

さらに興味深いのが、

「円債の入れ替えを主とした有価証券ポートフォリオの健全化」

を行うとしている点です。

金利が上昇すると、既に保有している低金利の債券価格は下落しやすくなります。

そこで、保有する円債を入れ替えることによって、将来的な運用収益の改善につなげていくものと考えられます。

短期的な利益だけではなく、今後の金利環境を意識して有価証券ポートフォリオを組み替えている点にも注目したいところです。

配当も増額へ

業績予想の上方修正に伴い、配当予想についても増額されました。

阿波銀行は株主還元方針として「配当性向40%以上」を掲げています。

今回、当期純利益が従来予想を上回る見込みとなったことから、株式分割後ベースで期末配当を

18円 → 22円

へ4円増配すると発表しました。

株式分割前に換算すると、

90円 → 110円

への20円増配に相当します。

業績改善が株主還元にもつながっていることになります。

実は7月にも上方修正している

今回さらに注目したいのは、阿波銀行が今年初めて業績を上方修正したわけではないことです。

7月28日には、2027年3月期上期の連結経常利益予想を141億円から152億円へ上方修正しています。

さらに7月31日に発表した第1四半期決算では、4~6月期の連結経常利益が前年同期比56.6%増の83億2,000万円となりました。

そして今回、上期予想の152億円については据え置いた一方で、通期予想を260億円から296億円へ引き上げました。

第1四半期の大幅増益
↓
上期予想の上方修正
↓
今回の通期予想の上方修正

この流れを見ると、業績見通しが段階的に引き上げられてきたことが分かります。

今回の上方修正をどう見る?

今回の発表で特に確認しておきたいのは、次の4点でしょう。

  • 資金利益の上振れ
  • 政策保有株式などの売却益
  • 円債ポートフォリオの健全化
  • 増益に伴う株主還元の強化

なかでも中長期的に重要なのは「資金利益」です。

株式売却益は基本的には一時的な利益ですが、貸出金などから得られる資金利益の改善が続けば、銀行そのものの基礎的な収益力向上につながります。

一方で、今期296億円という経常利益には株式売却益なども含まれるため、来期以降も同水準の利益成長が続くかどうかについては、今後の決算で本業部分を確認する必要があります。

株価も発表後に反応

今回の業績・配当予想修正は9月25日の午後2時に発表されました。

発表後、阿波銀行株は後場に一段高となり、市場も今回の上方修正に反応しました。

業績の上方修正に加え、増配まで同時に発表されたことが材料視されたものと考えられます。

まとめ

阿波銀行の今回の上方修正では、2027年3月期の連結経常利益予想が

260億円 → 296億円

へ引き上げられました。

前期比では35.6%増となり、過去最高益予想をさらに更新する見通しです。

そして今回の内容で注目したいのは、単に政策保有株式の売却によって利益が増えるだけではなく、本業である資金利益についても当初想定を上回っていることです。

金利環境の変化が地方銀行の収益構造にどの程度プラスに働いているのか。

阿波銀行だけでなく、他の地方銀行でも同様の動きが広がっていくのか。

本日9月25日は東邦銀行や三十三フィナンシャルグループなどでも上方修正が発表されており、今後の地方銀行セクターを見るうえでも興味深い動きとなっています。


※本記事は公表資料などをもとに作成したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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