9月17日、住友化学(4005)が「赤三兵」に? 3日続伸の背景を分析してみた
2026年9月17日の東京株式市場で、住友化学(証券コード:4005)が597.6円で取引を終えました。
前日終値580.0円に対して17.6円高、上昇率は3.03%。しかも9月15日から17日まで3営業日連続で終値を切り上げており、ローソク足を見ると、いわゆる「赤三兵」を意識させる値動きとなってきました。
赤三兵は、一般に陽線が3本連続して上昇するチャートパターンで、下落・調整局面からの相場転換を考える際に注目される形の一つです。
では、今回の住友化学の上昇は単なるテクニカル的な反発なのでしょうか。それとも何らかの材料が背景にあるのでしょうか。
今回は、9月17日までの株価、出来高、業績、証券会社の評価などから、その背景を整理してみます。
■ まずは直近3日間の株価を確認
住友化学の直近3営業日の値動きは次のようになっています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9月15日 | 552.0円 | 567.8円 | 550.4円 | 560.5円 | 7,589,900株 |
| 9月16日 | 570.0円 | 581.0円 | 567.7円 | 580.0円 | 8,240,800株 |
| 9月17日 | 578.8円 | 597.8円 | 576.8円 | 597.6円 | 10,759,100株 |
終値だけを見ると、
560.5円 → 580.0円 → 597.6円
と、きれいに3営業日連続で上昇しています。
さらに注目したいのが出来高です。
758万株 → 824万株 → 1,075万株
と、株価上昇とともに出来高も増加しています。
単に商いの薄い中で株価だけが上がっているのではなく、売買を伴いながら上昇している点は、今回の値動きを考えるうえで重要でしょう。
■ 要因① 9月上旬の急落からの「戻り相場」
今回の3日続伸だけを見ると非常に強く見えますが、少し期間を広げると違った景色が見えてきます。
住友化学は9月3日に638.8円まで上昇し、年初来高値をつけました。
しかし、その後は調整局面に入り、9月11日の終値は558.5円まで下落。高値638.8円から見ると、かなり大きな調整が入っていました。
つまり今回の上昇は、完全な新規上昇相場というより、まずは9月上旬の急落に対する戻りという側面を考える必要があります。
一方で、いったん550円近辺まで下落したところで買いが入り、そこから3日続伸となったことから、この価格帯を意識した押し目買いが入った可能性も考えられます。
■ 要因② 証券会社による目標株価引き上げ
直近の材料として特に注目したいのが、証券会社による評価の変化です。
9月16日には、日系大手証券が住友化学についてレーティングを「中立」に据え置く一方、目標株価を670円へ引き上げたことが報じられています。
レーティングそのものが強気へ変更されたわけではありませんので、この材料だけで今回の上昇をすべて説明することはできません。
ただし、株価が500円台後半にある状況で目標株価が670円へ引き上げられたことは、投資家心理を改善させる一つの材料になった可能性があります。
特に9月16日は560.5円から580円へ3.48%上昇し、翌17日も3.03%上昇しています。
タイミング的にも、この目標株価引き上げが市場参加者に意識された可能性は考えておきたいところです。
■ 要因③ 業績回復への期待
もう一つ大きな背景として考えられるのが、住友化学の業績回復です。
住友化学は石油化学だけでなく、農薬などのアグロ&ライフソリューション、ICT&モビリティ関連、医療関連など幅広い事業を展開しています。
2027年3月期については、海外農薬を中心とした販売拡大などを背景に増益を計画しており、過去の業績低迷から収益改善へ向かうかどうかが市場の大きな注目点となっています。
8月に発表された2027年3月期第1四半期では利益が大きく改善したこともあり、「住友化学は業績回復局面に入ったのではないか」という期待が株価の下支えになっている可能性があります。
今回の上昇を考える際には、短期的なチャートだけでなく、この業績回復期待による企業評価の見直しも重要な要素と考えられます。
■ 要因④ 25日移動平均線を回復
テクニカル面でも変化が見られます。
住友化学は9月上旬の高値から調整していましたが、9月16日の上昇によって25日移動平均線を上回り、17日も上昇を継続しました。
移動平均線は多くの投資家が参考にする指標です。
そのため、25日線を回復したことで短期的なトレンド転換を意識した買いが入った可能性があります。
さらに3日連続で終値を切り上げたことで、チャート上では「赤三兵」を意識する投資家も増えてくる可能性があります。
■ 要因⑤ 出来高増加を伴っている点にも注目
今回の上昇で個人的に注目したいのは、株価そのもの以上に出来高の増え方です。
9月15日の約759万株に対し、16日は約824万株、17日は約1,076万株まで増えています。
一般論として、株価上昇時に出来高が増加する場合、それだけ多くの市場参加者が売買に加わっていることを示します。
9月17日は始値578.8円、安値576.8円に対して、終値597.6円、高値597.8円。
つまりほぼこの日の高値で取引を終了しています。
これは9月17日の取引時間中、引けにかけても買いが継続したことを示す値動きとして注目できます。
■ 次に注目されるのは「600円」と9月高値
9月17日の終値は597.6円でした。
ここで非常に分かりやすい節目となるのが600円です。
600円は企業価値を直接示す特別な数字ではありませんが、株価ではこうした切りのよい価格が心理的な節目として意識されることがあります。
そして、さらに上には9月3日につけた年初来高値638.8円があります。
したがって今後のチャートを見る場合には、
- 600円台を維持できるか
- 出来高を伴った上昇が続くか
- 9月3日の638.8円に近づく動きとなるか
- 逆に25日移動平均線を再び割り込むか
といったポイントが、相場の強弱を観察する材料になりそうです。
■ 「赤三兵=上昇確定」ではない点には注意
ここは非常に重要です。
赤三兵は相場の転換を考える際に知られているローソク足パターンですが、当然ながら「赤三兵が出現したから、その後必ず株価が上昇する」というものではありません。
今回の住友化学についても、9月3日に638.8円まで上昇した後、550円台まで急速に調整したばかりです。
その意味では、現在の上昇が「新しい上昇トレンド」なのか、それとも「急落後の自律反発」なのかは、まだ慎重に見ていく必要があります。
■ まとめ:チャートだけではなく複数の材料が重なった可能性
9月17日の住友化学(4005)は597.6円で終了し、9月15日から3営業日連続で終値を切り上げました。
今回の上昇については、一つのニュースだけが原因というより、
- 9月上旬の急落からの反発
- 証券会社による目標株価670円への引き上げ
- 業績回復への期待
- 25日移動平均線の回復
- 3日連続上昇による赤三兵への意識
- 株価上昇とともに出来高が増加
といったファンダメンタルズ、テクニカル、需給の複数の要因が重なったと考えるのが自然ではないでしょうか。
特に9月17日は高値597.8円に対して597.6円で終了しており、ほぼ高値引けとなりました。
いよいよ600円という分かりやすい節目に到達します。
この3本の陽線が単なる反発で終わるのか、それとも9月3日の年初来高値638.8円を再び意識する展開につながっていくのか。
今後は「株価」だけでなく出来高がどのように変化するかにも注目して追いかけてみたい銘柄です。
※本記事は公開情報をもとに株価変動の背景を考察したものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には価格変動等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


